2013年05月22日

【数V】調和級数が発散することの証明

hrdさんより質問を頂きました。
ありがとうございます(^^)


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日々、拝見させて頂いてます。
特に、『ax+bという漸近線の求め方』は疑問が解消され、
大変参考になりました。ここで、質問なのですが...

(1)Σ k=1から2^n (1/k)≧n/2+1を証明せよ

(2)無限級数ΣK=1から∞ (1/k) は発散することを証明せよ。

(1)の不等式は(2)を証明するために出てきたものですが、
どういう発想でこの式が出てきたのか、疑問を持ちました。
「数Vの近似式がマクローリン展開の一部である」のように、
この不等号にも何かあるのではないでしょうか?

お忙しい中、読んで頂きありがとうございます。

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まず問題の式はこんな感じです(・∀・)



(1)

 

を証明せよ。

(2)無限級数

 

は発散することを証明せよ。



どういう発想なのかはきっと
Σを使わず具体的な足し算の式を眺め、
それより小さな値になる式でも
発散するような式を考えよう
という発想だと思います。

ということで説明しますね。
僕も本で読んだことがあるから
知っている方法なのですが(^^;




Σを使わずにΣ(1/k)を書くと

 

となります。
これをSと置いておきましょう。

 

ここで先ほど書いたようにこれより小さな値になる
ような式を考えます。

 

が成り立つので
1/3を1/4に書き換えると小さな値になる式になります。
とりあえず

 

 
 
このふたつを比べると下の方が
1/3が1/4になっている分小さくなります。
なので

 
 
となります。左辺が発散すればそれより大きな値である
右辺も発散するという考えで進めたいと思っているわけで
今のような書き換えを他にも次のようにやります。
上下の式でどう変ったかチェックしてください。

 

 

だいぶ分母が変わりましたよね。
分母が全部の数に変わりました。
以外の数は次のの値に置き換えました。
この置き換えた式をTとしましょう。

 

 また 

これを分母に注目して次のように見ます。

 

もう少し続きも書くと

 

カッコごとに計算すると

 

つまり

 

となります。
先に進めば進むほど
1/2を作るために必要な項数は
2倍ずつ増えていきますが
今は項数が無限なので
この1/2も無限個作れるわけです。
1/2が無限個あれば∞に発散します。

 

においてTが発散するのでSも発散。
よって証明できた。



問題文の(1)の式は
左辺がSの部分和で右辺がTの部分和です。
今の説明みたいに1/2を作るために
ちょうどキリのいいところまでの部分和がほしい。
そうするとTにおいて
1つ目の1/2が出てくるのは第2項までの部分和
2つ目の1/2が出てくるのは1/4までなので第4項までの部分和
3つ目の1/2が出てくるのは1/8までなので第8項までの部分和
4つ目の1/2が出てくるのは1/16までなので第16項までの部分和
というように「キリのいいところ」が
(nは自然数)になっているんですよね。
だから(1)のような式が出てきたのだと思います。


以上で見解と説明は終わりです。
質問の答えになっていれば幸いです(^^)
受験勉強がんばってくださいね。
posted by ジュンジ at 11:38 | Comment(0) | TrackBack(0) | 数学V

【数T】不等式の整数解 その2

岡さんから質問いただきました。
ありがとうございます。

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すみません
初めてです。
解法みても分からないので投稿させてもらいました。
お願いします。
次の不等式をともに満たす整数xが一つだけ
存在するとき定数aの範囲を求めよです
3x−7>x …@
x+a>4x …A

@よりx>7/2
Aよりx<a/3
ここで4の位置は分かったのですが、
a/3=なんで5じゃないのかわかりません。
教えてもらえますでしょうか。

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@とAより

 3.5<x<a/3

の範囲にひとつだけ整数解をもつ
ということなのでその整数解が4のみ
になればいいということですよね。
大まかな考え方は岡さんのであってると思います。
ただa/3がちょうど5のときだけが正解
というわけではないですよね。

質問のポイントはそこでしょうか。

そしてそれを解消するには
今どういう数の世界で考えているのかを意識する
ことが重要になってきます。
今言った数の世界というのは
整数、有理数、実数、複素数
などのことです。

確かに
 3.5<x<5
だとこれを満たす整数解は4のみでひとつです。
ただし今回a/3が整数だとは言われていないし
aが整数とも言われていないので
このa/3は実数であればなんでもOKなのです。
つまり
 3.5<x<5
 3.5<x<4.9
 3.5<x<4.5
 3.5<x<4.1
 3.5<x<4.01
 3.5<x<4.001
 3.5<x<4.0001
のようにa/3に入れる数字は
5以外にも4.9や4.5、そして4.0001でも
ちゃんとxの整数解は4のみでひとつになっています。
ただし気をつけないといけないのは
 3.5<x<4
にしてしまうとこの場合4は含まれないので
xの整数解はなくなってしまいます。
ということでa/3は
おおまかには

 4〜5の数字

正確に言えば

 4<a/3≦5

の範囲ならxの整数解はひとつになる。
よって

 4<a/3≦5より
 12<a≦15



というので質問に答えたことになったでしょうか。
見当違いなところを説明したのならすいません(^^;
もしそうならまた質問していただけるとありがたいです。





ちなみに以前にも似たような質問を他の方からも
頂いたことがあるので、
そちらも参考にしていただけると良いかと思います。

【数T】不等式の整数解
posted by ジュンジ at 11:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 数学T

2013年05月05日

【数V】数Vの近似式はマクローリン展開の一部である

数Vの微分の最後の方で習う近似式は
のとき



一次の近似式
 



というのがあり、さらに



二次の近似式
 



というのもありますが、
これらはどちらも


 マクローリン展開


と呼ばれる式変形をした式の一部なのです。
そのマクローリン展開はテイラー展開の特殊な場合です。

とりあえずこの記事では式だけ紹介しておきます。
x=aにおけるテイラー展開は無限回微分可能な関数f(x)に対して
次のように表せる。



テイラー展開(x=aにおいて)
 



このテイラー展開においてとしたものが
マクローリン展開です。



マクローリン展開(x=0においてのテイラー展開)
 



このマクローリン展開はずっと続きますが
そのうちの最初から第2項までを取り出すと
第3項以降を切り捨てちゃってるので
等しいとは言えなくなるので

 

一方、数Vの近似式でa=0とすると

 

あとはhをxに書き換えれば両者は同じ式になります。

同様に2次の近似式はマクローリン展開の第3項までの式と
近似式でa=0にした式を比較すると

 

 


よって数Vの近似式については



 1次の近似式:マクローリン展開の第2項まで
 2次の近似式:マクローリン展開の第3項まで



と覚えておくとよいでしょう。



ただ最後に数Vの近似式でa=0としてしまったので
xが0近傍以外のときの近似式はどうやって求めるの?
って思ったかもしれませんが、
問題集や教科書を見る限り

 ・|x|が十分小さいとき
 ・x≒0のとき

の近似式を求める問題しか出てこないようです。
これはx=0におけるテイラー展開、
つまりはマクローリン展開で
求められるものしか出てこない。
逆にx=0以外のところでの近似式は
テイラー展開に頼ることになる
ということなのでしょう。



ちなみにテイラー展開は「冪級数展開」とも言います。
それに関しては気が向いたら説明します(笑)




【数V】近似値、近似式
【数V】数Vの近似式はマクローリン展開の一部である
posted by ジュンジ at 12:39 | Comment(0) | TrackBack(0) | 数学V

2013年05月04日

【数V】近似値、近似式

アビーさんから質問いただきました。
ありがとうございます。

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数3の近似式と近似値の意味がよくわかりません。
どうか教えてください。お願いします。

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数Vの近似式

 

は微分の定義から導けます。
※「」は「≒」の意味です。

 

ここでhが十分小さい時に

 

が成り立つとする。
あとは式変形をして

 

これのxをaに置き換えたのが最初に書いた
近似の公式になっています。






それではこれを使って近似値を求めてみましょう。

例)次の近似値を求めよ。



まずここでは

 

としましょう。そうすると
これのx=1.02のときを求めることになります。
ここで

 

と見て、0.02は十分に小さいとみなし
近似の公式のhに当てはめます。
つまり近似の公式

 

において

 

とするということです。
よって

 

を計算するのですが
ここにはf'も出てくるので
先にf'(x)を求めておきましょう。

 

より

 

となります。
よって

 

のように近似値が求まります。






次に近似式を求める問題も具体的にみてみましょう。

例)|x|が十分小さいとき、次の近似式を作れ。



まず今度は「|x|が十分小さいとき」ということなので

 

において、

 

という対応になります。となると当然

 

と対応付けられるので、近似の式は

 

となります。
ではここで、fとはどういう関数かを考えましょう。
f(x)と書くとxという文字がかぶるので
今回はf(X)と書いておきます。

 

これをどのように設定すれば
Xに1-xを代入したときにになるのか。
それを考えてf(X)を設定します。
今回は

 

と設定すれば

 

という問題の関数になります。
よって近似の式にはf'も出てくるので

 

したがって

 

ということで

 

となり、意味的には
のグラフは
|x|が十分小さいときつまりx=0付近では
のグラフとほぼ同じ
と考えることができます。






【数V】近似値、近似式
【数V】数Vの近似式はマクローリン展開の一部である
posted by ジュンジ at 10:50 | Comment(2) | TrackBack(0) | 数学V