2009年07月23日

【数T】不等式の落とし穴

僕らの頃は「一次不等式」は中2で習っていましたが
今は一般的に高1の数Tで初登場です。

習ったことのある人なら中2でも十分解けることに
納得いくと思います。
というのも一次方程式とほとんど変わらないから。
一次方程式と唯一異なる点は


 負の数を両辺にかけると符号の向きが逆になる


これのみです。
ちなみに両辺を負の数で割っても符号の向きは逆になりますが
「割ること」は「逆数をかけること」なので
「かける」とまとめて表現した方が覚えることが半減します。


ここからが本題!!

たったこれだけのことなのですが落とし穴があるのです。
まずは落とし穴のない問題。

 −2x>10

両辺を−2で割って

 x<−5

マイナスで割ったので符号の向きが逆になります。
まぁ、何の問題もありません。

じゃあ、次は落とし穴がある問題。

 ax>6

両辺をaで割って

 x>6/a

この解答に違和感のなかった人、
落とし穴に落ちてます!!

このようにxの係数が文字になった場合、
間違える可能性がかなり上がります。

さぁ、どこがダメだったのでしょう?

不等式のルールの特徴は
「負の数をかけたら符号が逆になる」
でした。
今、両辺をaで割りましたが、
ここで質問。

 「aは正ですか?負ですか?」

ちょっと考えてください。




はい、質問の答えは、

 「(これだけでは)わかりません」

が正解です。
今、aはどのような数かが問題では指示されていません。
ということはaは正である可能性もあるし、
負である可能性もあるということになります。
さらには正でも負でもない、0という可能性もあります。
ax>6 を解く時、この3通りの場合で解き方が変わるので、
それぞれの場合で場合分けして解く必要があります。

そこで正しく ax>6 を解いてみましょう。

まず両辺をaで割りたいがaの正負がわからないので
まずは「aがもし正だったら」として解く。

 (@)a>0のとき
  x>6/a

次は順番的に「aがもし0だったら」ですが、
ちょっと考え方が異なるので先に「aがもし負だったら」

 (A)a<0のとき
  x<6/a

aという負の数で割ったので
符号の向きが逆になっていることに注意してください。

最後に先ほど飛ばした「aがもし0だったら」。
これはaで割りたいけど、今はaが0であり、
算数・数学では0で割ることはできないので
元の式のまま考える。

a=0より 左辺=0、右辺=6なのでこの不等式は
xの値に関係なく常に 0>6 となる。
0と6だったら6の方が大きいので
この不等式は常に成り立たない。
つまりxをどんな数にしても成り立つことがないということなので
この不等式を成り立たせるxの解はないということになる。

 (B)a=0のとき
  ax>6
  0>6
  これは成り立たない。よって解なし。

 (@)(A)(B)より
  a>0 のとき x>6/a
  a=0 のとき 解なし
  a<0 のとき x<6/a

となる。



ちなみにこれは不等式だけで出くわす問題ではなく
方程式でも同じようなことが言える。

例えば

 ax=2

これは両辺をaで割ればいいが、aが0ならばそれはできない。
よってaが0のときとそうでないときで場合分けが必要。

(@)a≠0のとき
 x=2/a

(A)a=0のとき
 0=2
 これは成り立たない。よって解なし。

ちなみにx^2=3xという方程式は
x^2−3x=0
x(x−3)=0
x=0、3
として解くが、「なぜ最初に両辺をxで割らないのか?」
と思ったことはありませんか?
これも同じこと。
今xはどんな数かわからなくて、もしかしたら0の可能性もある。
だから「割らない」のではなく「割れない」のだ。
割りたければ「x≠0」という条件を付けてやればいい。
ただxが0の時を別で考える必要がある。
実際にその考えで解くと

(@)x≠0のとき
 両辺をxで割って
 x=3
(A)x=0のとき
 0=0
 これは成り立つ。よってx=0はこの方程式の解である。
(@)(A)よりx=3、0

めんどくさいですね。
だから割らずに移項してxでくくって解く方法
を選ぶ方がbetterです。
posted by ジュンジ at 05:58 | Comment(2) | TrackBack(0) | 数学T
この記事へのコメント
娘の試験問題の解説に役立ちました。ありがとうございますにこにこ
ax>6のaによる場合分けは、20年も数学から離れていたので盲点でした。なんとか説明できて助かりました。
Posted by at 2020年05月06日 18:52
コメントありがとうございます。
お役に立ててよかったです(^^)
Posted by ジュンジ at 2020年05月07日 21:30
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