2014年01月03日

問題へのアプローチ方法

オセイオズさんより、質問いただきました。
ありがとうございます(^^)

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aを実数とする。xの二次方程式
  x^2+(a−1)x+a+2=0・・・@
について@の解が0≦x≦2の範囲には実数解をただ1つ持つとき、
aの値の範囲を求めなさい。

という問題があります。この問題を解の配置の問題として解きたいのです。
そのときに、単にf(0)f(2)<0が必要十分になるわけではなく、
x=0、2を与方程式が解にもつときは注意が必要で、
そこの場合分けをしないといけないということだと思います。
 しかし、わたしが疑問に思うというか、やりずらく感じるのは、
その場合分けを思いつくのが難しいということです。
二次方程式の最大最小を考えるときの「軸による場合分け」についても
同じような違和感を持っています。わたしの学校は進学校で、
そのせいもあるのかもしれませんが、
「軸による場合分けはまず何も考えずに4つグラフを描いて・・・」
みたいな感じで、そのあたりは「パターン化」でスルーしています。
しかし、それだと定型的な問題は速く処理できるでしょうが、
定型的でない問題になると対処できません。
数学オリンピックなどの問題を解いていても、
「この場合分けは思いつかない」というような、
初等幾何で突飛な補助線を出されたときに感じるような、
天下り的な回答を与えられたような不快を感じます。
 場合分け全般に関するお考えや、
解の配置問題に関する明確な考え方があれば、教えて頂きたいです。

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知っている問題を解く時と、
初めて見る問題を解く時では
考え方が違うと思います。


問題を解くにはまず問題文をきちんと理解する必要があります。
それがもし知っている問題なら
「この問題はこうやったら解ける」
という感じで、今までの経験のデータベースから
解法を頭の中で検索してヒットしたら
その方法で解いていけばいいと思います。
でも初めて見る問題はそうはいきません。
解いた経験がないのだからいくら頭の中で
検索しても解法を思いついたりしないものです。
初めての問題は

 1.問題の状況把握
  与えられた式、条件、求めるもののチェック

 2.問題の分析(分解)
  目的のものを求めるためには何を知る必要があるのか
  また与えられたものからわかることは何があるのか
  などのチェック。
  (スタートとゴール地点の両方から考える)

 3.できることをやってみる
  2までで考えたことをとりあえずやってみる
  必ずしも正解の道とは限らない道を進む。

 4.行けるところまで行ったらそこでの状況をチェックして
  2と3を繰り返す。

 5.行き詰ったら分かれ道のところまで戻って考え直す。

のような感じであーでもない、こーでもないと
試行錯誤するものです。
本来の学習とはそういうものだと思います。

解法だけ教わるのは点を取るだけのためなら
手っ取り早くていいのですが、
実力は大して身につかないでしょうね。
だって今書いた5つのことをやってないのですから。
知ってる問題は解法を思い出して計算するだけで解けます。
それはほとんど考えることをせずに
解いているようなもので、知識量の問題です。
解けるかどうかは実力の差ではありません。
ただ、知識が多い方が有利なのは間違いないので
くれぐれもそこは軽視しないで下さい。


「場合分け」について重要なのは
やはりさまざまな場合を考えることです。
そしてそこで一番大切なのは
『くまなく』考えることです。
問題の本質もよく理解せずに
「これは場合分けが必要な問題だ」
と覚えるのは数学の勉強で一番大切な
「考える」とこを放棄しているようなものです。
グラフの問題にしても場合の数・確率の問題にしても
「場合分け」はもっと自然と必要になるものです。

数学の問題の多くは与えられた問題文から
式を立てて解きますが
それがどんな場合でも同じ1種類の式で
表せるならそれで解いていけばOKです。
しかし、
「さっきはこんな式になったけど
 この場合はこの式にはならないぞ??」
という場面にぶち当たれば、そこで場合分けが必要になります。
ただそれだけのことで、覚えることでもないような気がしませんか?
ところが先ほど書いたような「考える」ことを放棄した勉強では
そういったことをほとんどしないので
当然そういう感性が磨かれることもないのです。
なので「よくわからないけど覚えてしまえばいいや」
となり、ますます「考える」習慣から遠ざかっていくのです。

この「考える」習慣を身につけるにはやはり
最初は面倒でも考えなくてはダメでしょう。
教科書や参考書に書いてある定理・公式などは
「なぜ成り立つのだろう?」「本当にそうなるの?」
という疑いの目をもって見るといいと思います。
高校数学が暗記勉強でうまくいくのは
よほど暗記能力が長けている人だと思います。







具体的に今回質問された問題に対して
どのようにアプローチするのかの一例を書いておきます。


問題.
 aを実数とする。xの二次方程式
  x^2+(a−1)x+a+2=0・・・@
について@の解が0≦x≦2の範囲には実数解をただ1つ持つとき、
aの値の範囲を求めなさい。


まず正直にこの方程式の解を解の公式で求めてみて
そのうちの1つが0≦x≦2を満たし
もう1つはx<0、2<xを満たす
という連立不等式を解く。
「2つのうち1つ」ということは
その逆の「場合」も考えないといけない。
さらには2次方程式の解はいつでも2個というわけではないので
今のは解が2個の「場合」で解が1つの「場合」も考えないといけない。

これだとルートを含んだ不等式になるので
解くのがめんどくさそうなので
グラフで考えてみる。

グラフの形状はどんなのか。
x^2の係数が正なので必ず二次関数であり、下に凸のグラフ。
ではどこにあるグラフかを知るために頂点を求めよう。
そのために平方完成か。
頂点に定数aを含み、aの範囲は指定がないので全実数であるから
グラフは固定ではない。
おそらくグラフはどこにあってもおかしくないが
正確なことは実際に平方完成してみないとわからない。
<なのでこのあたりで実際に平方完成の計算をしてみる>
結果的にはx軸方向にはすべての範囲を自由に動く。
y軸方向には限界があるが、とりあえずグラフは動きまくるので
グラフとx軸が0≦x≦2の範囲で1点だけ共有点を持つ
という状況を何通りか書いてみる。
どんな場合があるのかここでじっくり考えることが重要。
だいたいの場合分けができたら、
その場合分けのちょうど境目になる場合は
問題の条件を満たすのかどうかを考える。
例えばグラフの軸の位置で場合分けするなら
グラフの軸<0
0<グラフの軸<2
2<グラフの軸
のように分けると思うが
じゃあグラフの軸=0のときや
グラフの軸=2のときなどの
特殊な場合はどうなのか。
またそれらは先ほどの3種類の場合のどれかに
含めることはできないか
のような感じで考えていくのが妥当かと思います。
それを整理し、突き詰めていくと
先生が覚えろというやり方に行き着くと思います。





ちなみに今回の
 f(0)・f(2)<0
という式の意味は
x=0ではグラフはx軸より上側を通過し、x=2では下側を通過する
または
x=0ではグラフはx軸より下側を通過し、x=2では上側を通過する
ということですが、本当にこれ以外の場合で
問題の条件を満たす場合はないのかを考えると
今回は0≦x≦2の範囲で1点の共有点を持つ
なので先ほど言っていたちょうどその境目である
x=0で共有点を持つ場合やx=2で共有点を持つ場合が
抜けているのでそれを別の「場合」として考えなくてはいけない
ということになります。

× もし指定範囲が0<x<2ならばx=0とx=2は範囲外になるので
× f(0)・f(2)<0のみで大丈夫ですね。
×
× 後で指摘されて気付きましたが、この考えは違いました
× f(0)=0、f(1)=0でも指定範囲に共有点は1つですが
× f(0)・f(2)<0を満たしません。
× 間違ったことを書いてしまい、申し訳ありません。
× ご指摘してくださった方には感謝です!
× ありがとうございました(^o^)



また場合分けの方法は1つではなく、
今は指定範囲(0≦x≦2)の境界線上(x=0とx=2)
のところでどうなるかで考え始めましたが
グラフが異なる2点で交わる場合と1点で接する場合
で考え始める人もいると思います。





質問の答えになったかどうかわかりませんが
1つの意見として参考にしていただければと思います(^^)
がんばってください!
posted by ジュンジ at 00:20 | Comment(12) | TrackBack(0) | 質問の返事
この記事へのコメント
早い返事、ありがとうございます。とても嬉しいです。

「さっきはこんな式になったけど、この場合はこの式にはならないぞ??」という場面にぶち当たれば、そこで場合分けが必要になります。

なるほど、と思いました。まだ分からないことも色々ありますが、「くまなく考える」場合分けを意識して、色々考えてみようと思いました。今後もよろしくお願いします。

とても素敵なサイトだと思います。漸近線の求め方のところも読みましたが、とても参考になりました。

 これからも頑張って下さい。(^o^)
Posted by オセイオズ at 2014年01月03日 12:18
ちょっとまた考えてみたのですが・・・

0<x<2ならばx=0とx=2は範囲外になるので
f(0)・f(2)<0のみで大丈夫ですね。

というのは違うと思います・・・。
問題の条件(解が0<x<1に1つだけ)を★とすると、
★⇒f(0)・f(2)<0が成り立ちません。たとえば、
f(0)=0でもう1つの解が1より大きいときは、⇒が成り立たないと思われます。
Posted by at 2014年01月03日 15:55
オセイオズさん、コメントありがとうございます。
お褒めの言葉もいただきまして(^^)
今年もがんばります!!
Posted by ジュンジ at 2014年01月03日 16:12
間違いのご指摘、ありがとうございます!!
自分ですべての場合をくまなく考えることが大事と
言っておきながらきちんとできていませんでした(^^;
こういうご指摘は非常にありがたいです!
本当に助かりました!!
また何か間違いがありましたらご報告いただけるとありがたいです(^^)
Posted by ジュンジ at 2014年01月03日 16:15
実は今日ずっとこの件の問題ばかり考えていて思考の谷底に沈没しているという状況なのですが・・・。一番まとまっていると思える解答が次です。

与えられた方程式が異なる二解をもつとき
 x=0が解のとき
 f(0)=2よりa=−2
 このときf(2)=−2<0よりグラフを描けば条件を満たすと わかる

 x=2が解のとき
 f(2)=0よりa=ー4/3
 このときf(0)=2/3>0よりグラフを描くと不適

 x=0とx=2が解でないとき
 f(0)f(2)<0よりー2<a<ー3/4
以上よりー2≦a<ー4/3

与えられた方程式が重解をもつとき
 判別式D=0よりa=−1、7
 このうち条件を満たすのはa=−1

以上より、求める範囲はー2≦a<ー4/3、a=−1である。




というものです。この答案を見ると、確かにうまく分けれています。しかし、やはり、この場合分けができないのです。

グラフをいろいろ描いてみて様子をつかむというのでは、思考の泥沼にはまりそうです。

具体的に、場合分けを成功させる方法があればお願いします。
度々で申し訳ありません。

それと、思うのですが、こんな大変(?)な場合分けや思考をするぐらいなら、定数分離でグラフで考えたほうがずっと楽なんじゃないの?ということです。
 わたしはそう思います。
しかし、定数分離できない形も考えられるので、一概には言えないところです・・・。

Posted by オセイオズ at 2014年01月03日 16:16
確かにうまく場合分けできていますね(^^;
僕は試しに軸の場所で場合分けしてみましたが
軸<0と2<軸の場合は
f(0)・f(2)<0でOKですが
解いてみると条件を満たすaがなく
結局オセイオズさんに書いていただいた
解答と同じ場合分けにたどり着いてしまいました…

だからこその、その解答なんでしょうね(^^;

ちなみにこの問題はaが1次なので
おっしゃるとおり定数分離の方が簡単に解けますね。
aについて降べきの順に整理すると
 (x+1)a+x^2-x+2=0
となるのでaについて解くにはx+1で割る必要があり
x=-1がこの方程式の解になりうるかどうかを
確かめる必要があるので要注意です。
またこれをaについて解いた結果、
 a=-x+2-4/(x+1)
と分数関数になるので、数Vをやっていないと難しそうですね。
数Vをやれば難しくはないので、定数分離法の方がお勧めです(^^)
Posted by ジュンジ at 2014年01月03日 22:39
aを定数とみるのではなく、a(x+1)=ーx2+x−2の形で、直線と放物線の交わりを考える定数分離(直線分離?)が楽だと思います。
 分数関数のグラフ描くのめんどくさいですからね・・・。
Posted by オセイオズ at 2014年01月04日 10:47
それ、良いですね!(^o^)
Posted by ジュンジ at 2014年01月04日 12:06
昨日学校で実力テストがあったのですが、まさかの「定数分離に気づかない」という悲劇が起こりました。

 「どれが定数でどれが変数なのか」を明確にしておくことで見通しが良くなったりしますよね。
 
 注意しておかないといけませんな・・・・。
Posted by オセイオズ at 2014年01月09日 11:57
テストお疲れ様でした。
え?! それは確かに悲劇ですね(^^;

そうですね。一口に文字と言っても
定数、変数の区別は大事ですね!

そういやオセイオズさんが定数分離の話をしてくださったので
「x^2+4x+k-2=0が異なる2つの正の解を持つようなkを求めよ」
というような問題にも使ってみました。
普通は左辺をf(x)として
判別式D>0
放物線の軸>0
f(0)>0
の連立不等式を解くか、
解と係数の関係を利用して
似たような連立不等式を解くか
の方法を説明しますが、
こないだ塾の生徒に定数分離で説明したら
その方が簡単でわかりやすいと言ってくれました。
これもオセイオズさんのおかげです。
ありがとうございました(^o^)
Posted by ジュンジ at 2014年01月10日 03:39
x^2+3x+a^2+3a=0みたいな式だったんですよ・・・。
確かにaについても二次式なんですがね、aはあくまで定数ですからね、定数分離が明らかな形なのに、解の分離で解いて時間を食ってしかも途中で間違えました。痛恨の失敗であります。

「どれが定数かチャックせよ。問題文に『定数』とあったら、注意しておけ」というのは、心にとめておくべき標語でしょう。
Posted by オセイオズ at 2014年01月11日 00:19
aが2次式だと最後に2次不等式を解くことになりますが
それでも普通に解くより簡単そうですね!(^^)

そうですね。
文字が何を表しているのかは大事ですね!!
Posted by ジュンジ at 2014年01月11日 17:04
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