2012年04月04日

【中3数学】ルートの計算の工夫

ルート同士の掛け算は中身同士を掛けることができる

という性質があり、確かにそうなんですが
それが全くのムダな計算になることもあります。

例えばこんな場合。





…ん?
あ、これだとあまりムダな感じはしませんね(^^;
でも数字が変わるとムダ感が伝わるはず。
次はこんな場合。





この計算をするには
まず17×51で筆算が必要になります。
そして867という数は
どんな因数を持っているのか
を調べるために素因数分解が必要になります。
この場合3という素数で割れますが、
次は17という素数まで割れません。





これで無事にとわかりました。
このように非常に手間がかかるわけです。


でもよく考えてみてください。

もともと2つだった17と51を掛け算してひとつの数にして
結局その後に 867=3×17×17 という3つの数に分解しています。
そう、目的は因数に分解すること
つまりは掛け算に分解することですよね?
だったら「ひとつにまとめる」という計算は
必要ないと思いませんか?
そうなんです、必要ないんです。
そこがムダというわけです。
どうせ後で分解するなら
3桁にせず最初の2桁の状態で分解すればいいんです。
その方が何で割れるかもわかりやすいですから。
なので





とすれば筆算も素因数分解のための筆算も必要なく
あっという間に計算できます!


計算が苦手な人は「とにかくひとつにまとめてから分解」という
機械的なやり方に頼ってしまいがちですが、そうすると
17×51を筆算で計算したり
867は何で割れるか?という
よけいな問題まで考えなくてはいけなくなってしまいます。
なので計算が苦手な人こそ簡単に計算できる「工夫」を
知ってもらいたいです。



こんな場合もムダ感が伝わるでしょう。
今度は工夫したやり方からやってみます。





この場合は素数に分解するまでもなく
32という因数が2つあることがわかるので
その時点でにできてしまいます。
これを機械的に掛けてから素因数分解すると


 ←まずここで筆算


次は素因数分解して





2つずつ組にすると
5組とひとつ余るから
今度は2を5回掛けて32

やっととわかります。
この方法だともう説明しなくても
どれだけムダな計算があるのかわかりますよね?



1つ目の例のは掛け算しても
たかだか12になるだけなので
掛け算のための筆算も
素因数分解のための筆算も
必要ないからムダ感があまりないんですね。
でもこれも





と考えるように普段から訓練してみましょう(^^)
慣れてきたらまず3行目を省略してみましょう。
さらに慣れたら2行目も省略してみましょう。
そうするとあたかも暗算でさらっと計算したっぽくなります。
実際、書かずに計算するから暗算なんですが(笑)
posted by ジュンジ at 03:10 | Comment(0) | TrackBack(0) | 中3数学

2009年07月30日

【中3数学】GCDとLCM(最大公約数と最小公倍数)

最大公約数と最小公倍数は小学校で習う。
「約分」「通分」といった
分数の計算には欠かせないものである。



最大公約数は「Greatest Common Divisor」
(または「Greatest Common Measure」)

最小公倍数は「Least Common Multiple」

といい、それぞれ頭文字をとって
GCD(またはGCM)、LCMと呼ぶ。




これらの概念は非常に簡単だ。
小学校で習ったとおり
最大公約数は「公約数のうち最大のもの」
最小公倍数は「公倍数のうち最小のもの」
である。
だから小学校では約数や倍数を書き連ね、
共通する公約数や公倍数を探す。




だが!

それはあまりにも苦労が多い。





例えば12と8について。

最大公約数を探すためにそれぞれの約数を書き上げる。
12→1,2,3,4,6,12
8→1,2,4,8
よって最大公約数は4

最小公倍数ならそれぞれの倍数をいくつか適当に書いて共通なものが出るまで書き続ける。
12→12,24,36,…
8→8,16,24,…
よって最小公倍数は24


じゃあ同じように
3684と2768の最大公約数と最小公倍数を考えられるか?!

ってハナシですよ。
こんな大きな数の約数なんていくつあることやら。
(意外と少なかったりするけど…)
さらには最小公倍数見つけるのにそれぞれ2倍、3倍…なんて
やってられるかー!!
って、普通の人ならなるでしょう。

実際に中学生でもこの小学生方式の「書き上げ」の方法
しか知らない人はかなり多いと思う。
ただ中3で習った「素因数分解」を利用すると
ちゃんと論理的に求められるのだ。
その考え方を紹介する。




例 48と36について最大公約数と最小公倍数を求めよ

まずそれぞれ素因数分解する。
48=2^4×3
36=2^2×3^2

わかりやすいように指数を使わずに書くと

48=2×2×2×2×3_
36=2×2___×3×3

これでそれぞれどのような素因数からできているかがわかった。
2という素因数だけ見るとそれぞれに少なくとも2つはある。
なので48と36は両方、2でも4でも割れることがわかる。
今は最大公約数を考えているので
この「割れる数」はできる限り大きいものでなくてはいけない。
だから2でも4でも割れるが4の方が大きいという考えをする。

今は2という素因数だけで考えたが
48も36もどちらも他にも3という素因数を含んでいるので
全体的に見れば
48も36も2×2×3を共通な素因数として含んでいるので
最大公約数は 2×2×3=12 となる。

一方最小公倍数はそれぞれにいくらかをかけて
同じ数にすることを考える。
同じ数なら当然素因数の種類も個数も一致する。
つまり

48=2×2×2×2×3_
36=2×2___×3×3

これの穴埋めをする感じで素因数の構成をそろえればいい。
48にはあと3を1つ
36にはあと2を2つ
で素因数の構成がそろう。
もちろんさらにどちらにも5を4つずつかけても
構成はそろっているが、
今は「『最小』公倍数」を考えているので
そろえるための努力は最小限にしなくてはならない。
なので不要なものは追加しないこと。
よってこうそろえるのが最小限の努力で済む。

2×2×2×2×3×3

これ、つまり144が最小公倍数。


まとめると

最大公約数は共通因数をすべて取り出す
最小公倍数は因数をそろえる

という作業をすればいい。



じゃあ3684と2768についても考えてみよう

まずは素因数分解をする。

2)3684
2)1842
3)921
  307

3684=2×2×3×307

2)2768
2)1384
2)692
2)346
  173

2768=2×2×2×2×173


3684=2×2___×3__×307
2768=2×2×2×2_×173

よって最大公約数は
2×2=4

最小公倍数は
2×2×2×2×3×173×307=2549328

となる。



また書き方の違いでこんな方法もある。
48と36を共通な素数で素因数分解していく。

2)48 36
2)24 18
3)12 9
  4 3

左側に縦に並んだ2,2,3をかけたものが最大公約数で
それにさらに一番下に並んでいる4,3をかけたものが最小公倍数。
最大公約数=2×2×3
最小公倍数=2×2×3×4×3

これは左側に並んでいるのが共通な素因数、
下側に並んでいるのが共通でない素因数で
これが素因数の構成の「穴」を作っている原因のものである。
そこまでわかればこの書き方が先ほどの
素因数の構成の考え方となんら変わらないことがわかると思う。
逆にそれがわかってないと数字が3つになった場合、
この方法は使わない方がいい。間違える。
特に最小公倍数は間違える。

その場合はやはり「素因数の構成」の考え方をしましょう。
その考えの方が「文字式の最大公約数・最小公倍数」の
理解が速い。(数Uでちょっとだけ出てきます)






ちなみに最大公約数はもっと簡単に速く出せる
「ユークリッドの互除法」という方法もあります。
posted by ジュンジ at 02:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 中3数学

2009年05月30日

【中3数学】展開・因数分解の利用

授業で「展開・因数分解の利用」をやりました。
そこで出てくる問題は

52^2−32^2
=(52−32)(52+32)
=20×84
=1680

とか

43^2
=(40+3)^2
=1600+240+9
=1849

とか

89×91
=(90−1)(90+1)
=8100−1
=8099

というものですが、実際によく使うのはコレじゃない。
今あげたのはそれぞれ順番に
@a^2−b^2=(a−b)(a+b)
A(a+b)^2=a^2+2ab+b^2
B(a−b)(a+b)=a^2−b^2
という2種類の公式が元になっています。
(@とBは同じ公式で使う向きが逆なだけ)

確かに展開・因数分解の利用なのですが、
最も簡単かつ基本的な因数分解が抜けている!



その因数分解とは


  am+bm=m(a+b)


という共通因数でくくる因数分解だ。
なぜコレを問題にしない?!


コレを利用して計算する具体例をあげましょう。

【例1】
12+36×3
=12+12×3×3
=12(1+3×3)
=12×10
=120

【例2】
21×17+34−51
=21×17+17×2−17×3
=17(21+2−3)
=17×20
=340

【例3】
2×243+24×81
=2×243+8×3×81
=2×243+8×243
=243(2+8)
=243×10
=2430


こんなところです。
1つ1つの数字がどのような掛け算でできているのかを
意識するのがコツです。
あと、何も考えずに「まずは掛け算から計算する」と
厄介なことになることも多いので、むやみに計算しないこと。

【例1】の12、36は12の倍数(最大公約数が12)
【例2】の17、34、51は17の倍数(最大公約数が17)
【例3】の243、81は81の倍数(最大公約数が81)

このことに気付くかどうかがポイントです。
ここではその最大公約数が共通因数になっているわけです。
小学校で習った「最大公約数」。
「そんなもんどこで使うんだ?!」って思ってた人、
使うところはけっこうあるんですよ。





他にも計算の工夫としては小学校でも
25×4=100を利用する方法は習ったと思います。
例えば

24×25
=6×4×25
=6×100
=600

75×32
=25×3×4×8
=25×4×3×8
=100×24
=2400

これらは

 4の倍数 × 25の倍数

であればできる工夫の仕方です。
それぞれを

 4×○ と 25×○

に分解して4と25を先に計算すればいいのです。








こういった工夫はしなくても解けますが、
する方が無駄な筆算も省けて計算ミスも減るし、
すばやく解けるようになります。

このような工夫ができるようになるためには
やはり普段から

  「楽をしよう」

と心がけることです。

九九の習得と同じで一度身につけば
普通にできるようになるテクニックです。





※「最大公約数」と書くべきところを
「最小公倍数」と間違えて書いていました。
読んで、混乱した方、すみません。
現在は訂正済みです。 2009/7/9

※「【例3】の243、81は81の倍数(最大公約数が81)」
のところを「【例3】の243、81は27の倍数(最大公約数が27)」
と書いていたので直しました。 2010/12/9
posted by ジュンジ at 01:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 中3数学

2008年12月31日

【中3数学】無理数の小数部分

今年最後の記事は生徒から質問された問題です。



問.√7の小数部分をaとするとき、次の式の値を求めなさい。
  a^2−4a−12



よくある問題ですね。
高校の数Tでも同類の問題が出ますので
しっかり理解しておきましょう。





小数部分の前にまずは整数部分の求め方から説明しましょう。

√4<√7<√9
つまり
2<√7<3
だから整数部分は2である。

これをわかりやすく言葉で書くと

√7は
√4(=2)より大きく
√9(=3)より小さい
つまり√7は2と3の間にある数なので
小数で言うと 2.○○○… ということである。

次に小数部分の表し方を説明する。

例えば1.2345という数の小数部分だけを取り出すと
0.2345ということになるが
これを計算して出そうと思ったら
もとの数である1.2345から
その整数部分である1を引けばいい。
具体的には
1.2345(もとの数)−1(整数部分)=0.2345(小数部分)
となる。

ここで話を戻そう。
√7はさっき書いたように
具体的にはわからないけど
2.○○○… というように
整数部分は2だということがわかる。
よって
2.○○○…−2
という計算で小数部分の0.○○○…が
求まるけど、これだとやっぱりいい加減にしか書けない。
そこで2.○○○…ではなくもとのままの√7を使って書くと
小数部分は
√7(もとの数)−2(整数部分)
という計算で求まる。
でも√7−2はこれ以上計算できないので
しかたなくこのまま放置することになる。
よって√7の小数部分は
√7−2


他にもいくつか小数部分を求める例をあげておくと

例1
√3について
√1<√3<√4
つまり
1<√3<2
なので√3は1と2の間の数だからその整数部分は1。
よって√3の小数部分は
√3−1

例2
√19について
√16<√19<√25
つまり
4<√19<5
なので√19は4と5の間の数だからその整数部分は4。
よって√19の小数部分は
√19−4

例3
√131について
√121<√131<√144
つまり
11<√131<12
なので√131は11と12の間の数だからその整数部分は11。
よって√131の小数部分は
√131−11

例4
πについて
π=3.14…
なのでπは3と4の間の数だからその整数部分は3。
よってπの小数部分は
π−3



で、本題に戻ると、あとは
a^2−4a−12
の式にa=√7−2を代入すればいい。
このまま代入してもいいけど、
この式が因数分解できる形になっていることに注目。
そうなっている場合はたいてい
因数分解してから代入すれば
計算が簡単になることが多い。
そうなることが多いってだけで、
実際にやってみないと簡単になるかどうかわからんけど、
式が変形できる場合はやってみる価値ありと思っておこう。

その結果、
a^2−4a−12
=(a+2)(a−6)
=(√7−2+2)(√7−2−6)
=√7(√7−8)
=7−8√7
posted by ジュンジ at 22:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 中3数学

2008年12月02日

【中3数学】計算・関数・図形

高校入学が近づいて来てる中3に警告です。

中学の数学は大まかに分別すると

・計算
・関数
・図形

の3つになるかと思います。
数学の場合、他の単元と関係ないってことがあまりないので
まぁ、どれも重要かと思いますが

「図形はできるけど関数ができない人」と
「関数はできるけど図形ができない人」だったら

関数ができる方が圧倒的に有利だと思います。

高校数学で直接「図形の問題」ってのは
数Aの平面幾何くらいかと。
に対して関数は数T、数U、数V、数Cで扱います。
そういった意味でも関数は重要だと思いますが、
個人的にはもっと別なところにそのワケを感じてます。

算数と数学の決定的な違いは

    方程式

だと思うのです。
方程式を立てずにやる問題はたとえ文字を使っていようが
単なる計算に過ぎません。
数字か文字かの違いだけで結局は文字式の計算は算数です。
一方、方程式は未知数を含む等式です。
中学1年生で習う等式の性質が使えます。
文字が1種類で1次式であれば一元一次方程式、
普段は「一次方程式」って呼んでるやつです。
文字が2種類で1次式であれば二元一次方程式と呼びます。
この文字が2種類の二元方程式の
2つの未知数(一般的にxとy)の関係を
わかりやすく図に表したのがグラフ、つまり関数。
なので僕の中では「関数」こそが「数学」なのです。
あくまでも僕個人の意見ですが。

だからいくら計算が速くできても
比例、反比例、一次関数、二次関数ができないとなると
数学のセンスがないなって思ってしまうのです。
ついでに、文章から立式できない人もそう思います。

中学のこの関数の単元を理解せずに暗記で乗り越えてしまう人は
高校になったら絶対に数学が伸び悩みます。
絶対です。


心当たりがある中学生のみなさんは
今のうちにしっかり理解しておきましょう。


いまいちピンとこない人は次のことを目安にしてください。

グラフを描いたり、比例定数を求めたり、
グラフ上の座標を求めたり、グラフの式を求めたり、
変域を求めたり、変化の割合を求めたりできなければ赤信号です。
黄色信号ではありません。赤です。
そもそもグラフが何を意味してるのか、
そこから考え直しましょう。

グラフの交点が求められない、
グラフの線でできる三角形の面積が求められない
などは黄色信号です。
それらを求めるには何を知る必要があるのかを考えましょう。

理解できていたら放物線と直線の交点が求められます。
具体的に習ってなくても。
さらに教科書では出てこないと思いますが、
反比例と直線の交点も求められます。
これは中3で二次方程式を習った時点で解くことができます。



最後に「関数」「図形」以外で残っていた分野の「計算」。
これはできて当然の分野だと思ってください。
それができなければ数学ができません。
正負の計算、文字式の分数計算、展開・因数分解、平方根など。
posted by ジュンジ at 04:40 | Comment(2) | TrackBack(0) | 中3数学