2014年09月09日

【数B】直線のベクトル方程式の考え方

数Bのベクトル方程式で扱うのは
直線と円ですが今回は
直線のベクトル方程式について。


●直線のベクトル方程式
最初に
よくある勘違いが
表したい直線をベクトルの矢印そのもので考える
という間違い。
これは違います。気を付けてください。
ベクトル方程式で直線を表す時のイメージは
始点から伸びる無数のベクトルで直線を指します。
ベクトルの終点の集合で直線を描くイメージです。

vector1.jpg

つまりベクトル方程式とは
ベクトルの終点が描く軌跡
と考えると理解しやすいと思います。


では直線を決定するために必要な
「直線の傾き」「直線が通る点」
を考えていきましょう。

直線の傾きは右にいくら進んだら上にいくら進むか
つまりはxの増加量とyの増加量で決まってきますが
この2つ増加量を表すのが
方向ベクトルのx成分とy成分です。

直線が通る点は点Aとします。

表したい直線lを点Pの軌跡と考え
原点Oから点Pまで
点O⇒点A⇒点P
とベクトルで辿って行くと

 

と表せます。
下の図では点Aと3つの点Pがあり(t=1,t=2,t=-1のときのもの)
赤いベクトルで示してあるのが点Pまでの経路です。

vector2.jpg

ここで考え方としては
表したい直線lまでで移動して
直線lというレールに乗った後は
というベクトルが指す方向へ好きな距離だけ進む
といった感じです。
この「好きな距離だけ」というのを
を何倍かする」として考えます。
掛ける数は図の中にあるように1でも2でも-1でも
100でも−0.3でもでも
実数なら何でもいいので実数tを使って

 

と表します。よって点Pを表す

  (tは実数)

となります。

 
2点A、Bを通る直線は方向ベクトルが2点をつなぐ方向だと考えればOKです。
つまりは

 

とすればいいのです。
これでを整理すると

 

このようになります。
この式を見ると単純にこうも考えられますね。

 2点ABを通る直線は
 線分ABをt:1-tに内分・外分する点Pが描く軌跡
 (tは全実数)

tを0≦t≦1に限定するとtも1-tも常に0以上になり
点Pは内分しか表さないので直線ABではなく
線分ABを表すことになります。

posted by ジュンジ at 13:43 | Comment(0) | TrackBack(0) | 数学B

2014年09月02日

【数V】分母に2乗があるときの部分分数分解

やっくんさんより質問いただきました。
ありがとうございます(^^)

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部分分数分解について質問です。



とするように



としてはダメなのはなぜですか。



なんで(最後のは)2乗なんですか?

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これは疑問に思うところですよね。
僕も高校の時に思いました(^^;

まずは

■  ではダメな理由
ダメな理由から説明します。
実はよく見るとわかると思いますが

 

という右辺の第2項、第3項の

  と 

この2つは同類項なので次のようにまとめられてしまうのです。

 

B+C=B'としてまとめました。
ではこれだとどうなるのか。
xについての恒等式になるようにAとB'を求めてみましょう。
右辺を通分しつつ左辺の分母と同じ式にします。
そして分子を降べきの順にまとめて係数比較します。

 

係数比較すると

 

(1)より

 

これを(2)に代入。

 

よって

 

この時(3)も成り立たなくてはいけないので確認すると

 

よって(3)は成り立たない。
したがって

 

が成り立つA、B'は存在しない。


さてここで少し考えてみましょう。
今、なぜダメになってしまったのか。
それは係数比較したときの連立方程式で
(3)の式が成り立たなかったからなのだが
AとB'という文字2つに対して式3つなので
こういうことが起きてしまったのである。

文字が2つなのは自分でそう置いたので納得するとして
なぜ式は3つになってしまったのか。
それは両辺で分母を同じ式にするときのことを思い出そう。
左辺の分母は3次式であるのに対し、
右辺の分母は二つとも1次式である。
なのでこの1次式を左辺と同じ3次式にするために
2次式を分母・分子にかけたのだが
それによって分子は2次式になったのだ。
2次式ということは係数比較するときに
2次の係数、1次の係数、0次の係数(定数項)
の3つを比較するので、
連立方程式で式が3つになってしまったのである。

3つの式に対して文字が2つだと必ずしも
3つともが成り立つ解があるわけではない。
そこで文字も3つにすることを考える。





■  とする理由

左辺を右辺のように分解する方法を考える。
今のところ3項目はわかっていないとして

  と 

に続く3項目の分母を考えよう。
右辺を通分したとき、左辺の分母以上の因数を
持ってしまってはいけないので
左辺の分母の約数であることが最低条件である。
では左辺の分母

 

の1とこの式そのもの以外の約数は

  と  と  と 

の4種類である。
このうちx-2とx+1はすでに第1項、第2項で使っているので
先ほどのダメな理由からダメである。
では(x-2)(x+1)だとどうなるか。

 

ここで右辺はx+1で約分できることになり
左辺が既約分数であることに矛盾することになるので
やはりこの置き方もダメであることがわかる。

今の式変形は左辺の分母と同じになるようにやったが
普通に右辺だけを通分することを考えると
分母は最小公倍数である(x-2)(x+1)にすればよい。
そして左辺と同じにするために分母・分子にx+1をかける。
なので既約分数にならないのは当たり前。
このことから右辺を最小公倍数で通分した段階で
左辺と同じ分母になっていないといけないことになる。
つまり
右辺の分母の最小公倍数が左辺の分母になるように置く必要がある。
ということだ。

したがって先ほどあげた4種類の約数の4種類目の

 

ならOKになる。

   と  と  の最小公倍数は 

というのが理由の説明です。
一応最後まで分解しておきますね。



 

係数比較すると

 

これを解いて

 

よって

 

と分解できる。




分解後の分母の最小公倍数が分解前の分母に一致すればいい
ということから考えると他にも

 

とおいても分解できます。
これだとAとBの2文字ですが、右辺の分母は2つとも2次式なので
通分後の分子が1次式となるので文字は2つでちょうどなのです。
実際にこれで分解してみると

 

とできますが、どう分解するかは
分解後の目的によって選びましょう(^^;

分母が(x+1)(x+2)(x+3)の分数を(x+1)(x+2)と(x+2)(x+3)の分母を持つ
2つの分数の差に分けるのは数列の和を求めるときに使われます。
一方、x+1とx+2とx+3に分解するのは積分するのに適した分解ですね。
posted by ジュンジ at 15:38 | Comment(4) | TrackBack(0) | 数学V

2014年08月26日

【数V】増減表のf'(x)の正負の考え方

いやピースさんから質問いただきました。
ありがとうございます(^o^)


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数3Cの微分の範囲でグラフの概形を描く問題で
グラフの凹凸を求め増減表を描く場合
グラフのプラマイの部分の求め方がわかりません。
数2までの微分ならなんとかなるのですが
logとかeとかルートがでてきたとき混乱してしまいます
ほんとに数3できないので、基礎の基礎から教えてもらえると嬉しいです。
どうかよろしくお願いいたします。
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数Uの時にf'(x)の正負を考える時
いつも放物線をイメージしていませんでしたか?
もしそうであれば、数Vの微分で困ると思います。

y=f(x)のグラフを描くための増減表を描くためには
f'(x)が0になる時のxを求め
それを境にf'(x)の正負を考えます。

数Uで出てくる増減表の問題と言えば
3次関数です。
発展問題で4次関数もありますが
3次が4次になったところで
基本的は変わりません。
ただし数Vの微分で困る人は
4次になったら困ると思います。

f(x)が3次ならf’(x)は2次です。
式の値の正負を考えるには
和よりも積の方が都合がいいです。
なぜなら
正+負の結果は正か0か負か決まりませんが
正×負の結果は必ず負になると
言えるからです。
なのでf’(x)の式を積の形にする、
つまり因数分解するのです。

例えば

 

となったとします。
これを二次関数のグラフと見れば
x軸と2、3で交わる下に凸のグラフだとすぐにわかり、
グラフがx軸より上側のところではf'(x)は正
グラフがx軸より下側のところではf'(x)は負
と見た目で分かります。

f(x)が4次関数でもf'(x)は3次関数なので
因数定理などを利用すれば因数分解は可能です。
しかしここで少し困る人が出てきます。
f'(x)の正負を考えるためのグラフを描きたいところですが
f'(x)が3次関数なのでそのグラフを描くために
このf'(x)自体を微分して増減表を描く必要が出てきます。
それは面倒ですね。
ただし3次関数の一般的なグラフの形を知っていれば
3次関数のグラフも正負がわかる程度には簡単に描けます。

例えば

 

であれば、x軸との交点は1、2、3の3か所です。
そしての係数が正ならばグラフは最終的には
上がっていくので左から右へ順に、
上がって下がって上がります。
ってことであとはf'(x)のグラフを見て
グラフがx軸より上側のところではf'(x)は正
グラフがx軸より下側のところではf'(x)は負
と答えられます。



ところが数Vではこのf'(x)のグラフを描くことが
通常は困難であり、f'(x)の正負を考える時に
困ってしまうということです。

例えば

 

であれば微分すると

 

となりこのグラフを描くことが困難だということです。
そこで「正負を考える時は積の形」です。
因数分解したのは何もグラフを描くためではありません。
f'(x)の正負を考えるためです。

今回因数分解するとxとと2+xという3つの因数に分解できました。
これら1つずつの正負を考えていくのです。
この3つのうちでは常に正で0になることすらないので
f'(x)の正負を考える上では何の影響力もありません。
なのでこれは無視して残り2つの正負を考えればOKです。
xと2+xがそれぞれ0(←正負の境界)になるのは
xが0と-2のとき。

x<-2のときは
 
     =負×正×負
となり正。

‐2<x<0のときは
 
     =負×正×正
となり負。

0<xのときは
 
     =正×正×正
となり正。

増減表を描くと



こんな感じで考えてみてください。
ちなみに数Uの微分でもこの考え方はできます。


logを含むものもやっておきましょう。

 

この時点で真数条件よりx>0、
分母≠0より、x≠0
という条件があり、まとめると
今回の定義域はx>0ということになります。
f(x)を微分すると

 

今回は2つの因数に分解できました。
1-log xとです。
それぞれが0になるのはe、0ですが
今回の定義域はx>0なので
は0になることもなく常に正となるのでこれは無視して
1-log xの正負だけ考えればOKです。
x=eのときに1-1となり0になりますが
xがeより小さい場合はどうなるか。
log xのグラフを思い出せば単調増加なので
xがeよりも小さくなればlog xは小さくなります。
つまり

x<eのとき
 1-log x=1-(1よりも小さい数)
なので正。

同様にlog xのグラフを思い出せば単調増加なので
xがeよりも大きくなればlog xは1より大きくなります。

e<xのとき
 1-log x=1-(1よりも大きい数)
なので負。

増減表を描くと


といった感じです。



まとめると
f'(x)でもf''(x)でも正負を調べるには因数分解して
各因数ごとに正負を考える
という考え方が基本かと思います(^^)
posted by ジュンジ at 04:08 | Comment(0) | TrackBack(0) | 数学V

2014年08月15日

【数A】二元一次不定方程式

もっとも基本的な二元一次不定方程式について。

例題1) 不定方程式 3x=5y を満たす整数解を求めよ。

両辺を次のように素因数分解できたとする。

 左辺の素因数分解 ⇒ 3・○・○・○・…
 右辺の素因数分解 ⇒ 5・○・○・○・…

左辺と右辺は等しいので、
素因数分解の結果は完全に一致する。
3と5は互いに素なので
両辺の素因数分解を一致させるためには、
次のようにそれぞれ2つ目以降の素因数に
5と3を含んでおかなくてはいけない

 左辺の素因数分解 ⇒ 3・5・○・○・…
 右辺の素因数分解 ⇒ 5・3・○・○・…

そして残り3つ目以降は
具体的に一通りには決められないが、
左辺と右辺は等しいので3つ目以降の素因数は
すべて等しくならざるを得ない。
この残りの素因数をひとまとめに「k」と書くと

 左辺の素因数分解 ⇒ 3・5・k
 右辺の素因数分解 ⇒ 5・3・k

となる。さらにそれぞれ

 左辺の素因数分解 ⇒ 3・(5k)
 右辺の素因数分解 ⇒ 5・(3k)

として3x=5yという式と見比べると

 x=5k、y=3k

になっている。
残りの素因数「k」は整数ならいくらでも構わないので
この不定方程式の解は

 kを整数として(x、y)=(5k、3k)

となる。こう書いておくことで
k=1のときは(5、3)、
k=2のときは(10、6)、
k=100のときは(500、300)
のような解をひとまとめに表すことができるのである。

今回は3と5が互いに素だったが、
互いに素ではない4と6ならばどうなるか考えてみよう。


不定方程式 4x=6y を考える時、両辺を次のように考えたとする。

 左辺の素因数分解 ⇒ 4・○・○・○・…
 右辺の素因数分解 ⇒ 6・○・○・○・…

これらが一致するためには
2つ目以降の因数に必ずしもそれぞれ
6と4を含んでいる必要はない。
左辺と右辺をそれぞれ素因数分解すると

 左辺の素因数分解 ⇒ 2・2・○・○・…
 右辺の素因数分解 ⇒ 2・3・○・○・…

となり、これらを一致させるためには
3つ目以降の因数はそれぞれ3と2で十分なのである。
もちろん6と4でも等しくはなるが、
そこまで必要ではないということだ。
なのでax=byならばいつでも
x=bk、y=akと置けばいいわけではない。
すべての整数解を含むとは限らないからだ。
aとbの部分が互いに素の場合のみ、
x=bk、y=akと置けばすべての整数解を含む
ことになるのである。

この例では互いに素ではない4と6を
係数に持つ4x=6yを考えたが、
普通これなら両辺を2で割って、
2x=3yのようにしてから考える。
実はこれ、係数を「互いに素」に
してから考えているのである。
このように「互いに素」というのは
無意識のうちに考えていたことなのである。
分数の約分も普通はできるだけやるよね?
あれはどこまで約分しているのかというと
分母と分子が「互いに素」になるまで約分しているのである。
分母と分子が互いに素になるとそれ以上は約分できなくなる。
そのように既に約分が完了している分数のことを
「既約分数」という。
posted by ジュンジ at 19:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | 数学A

2014年05月19日

物理しかできない浪人生さんへ

物理しかできない浪人生さん からご質問いただきました。
ありがとうございます。

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片側極限について。
片側極限がわからなくて困っています。
y=x^2/(x-1)
=x+1+1/(x-1)
(式変形しただけです)

このとき、lim[x→1-0]y=0とlim[x→1+0]y=0

がそれぞれなぜ-∞と+∞になるのかがわかりません。

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x→1-0のときは具体的に
1よりほんのちょっと小さい値である
0.9999999999くらいで考え、
x→1+0のときは具体的に
1よりほんのちょっと大きい値である
1.0000000001くらいで考えると
わかりやすいと思います。

変形後の式の前半x+1は
x=0.9999999999のときは1.9999999999
x=1.0000000001のときは2.0000000001
とどちらもほぼ2で違いはありません。

ところが後半の1/(x-1)は違ってきます。
分母のx-1だけ見ると
x=0.9999999999のときは-0.0000000001
x=1.0000000001のときは0.0000000001
となり、どちらもほぼ0には違いないのですが
x=0.9999999999のときは負の数
x=1.0000000001のときは正の数
というのが大きな違いです!
分母だけではそれほど違いはないようにも思えますが
分数全体で考えるとどうでしょう。

 

とても大きな差になりました。
これが正の無限大になるか負の無限大になるかの
原因となるところです。



こちらの記事も参考にしてみてください。

【数V】極限値の基礎
posted by ジュンジ at 11:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 質問の返事